<   2016年 11月 ( 2 )   > この月の画像一覧

Fish & Chipsのこと。(Fish編)

Chips編に続いてFishについてお話しします。

ChipsはFishに比べれば早い段階でクリアすることが出来ました。

しかし、ベテランの天ぷら職人をしても、白身魚は最後の砦と言うほどに魚を上手く揚げることは難しいのです。


chipsの時とは違って、ヘストンの技法を真似ることは不可能でした。

彼は衣をソーダサイフォンに入れ、冷蔵庫で一晩冷やすという方法を取っており、私には
現実味のない方法でした。


ならばと言うわけで、普通のfish&chips屋さんがやっているであろう方法を調べることにしました。

材料は小麦粉、ベーキングパウダー、ビール、塩これだけです。

常々お話ししている通り、材料が少ないほど組み合わせや比率の選択は増え、個人差が出るものです。

小麦粉を薄力粉にするか、中力粉にするか、ベーキングパウダーをはたまたベーキングソーダにするのか、ビールは生かIPAか・・・などなど。


取り敢えずは、薄力粉、ベーキングパウダー、生ビールの組み合わせでやっていました。

しかし、本場で幾度も目にしているものと何かが違っていると感じていました。


ビスポークでは、出来たてを食べてもらうことができるので衣はサクサクしているように
見えます。
でも、それは長くは持たないのです。


ロンドンでは、よくテイクアウトをしていました。


メリルボンのSea Shellで買って宿で食べた時には、20分は経っていたと思いますが、衣は堅さを保っていました。たっぷりビネガーをかけていたのにもかかわらずです。


ここから、苦悩は始まりました。いくらお客さんが満足してくれていても、今までで一番のfish&chipsとブログに書いてくれても、私にはこれが完成品ではないと分かっているからです。


試行錯誤も限界かと思われた時、ロンドンの取材旅行の依頼がありました。私のオススメfish&chips屋を紹介するという企画です。


兼ねてから一番のお気に入りだったブリックレーンのPOPPIESを一押しにしました。
この道50年という職人さんと対談することが出来、色々と質問をするうち
衣にビールは入れていない!!ことが分かりました。


気づいたことはそれだけではありません。厨房の様子をみているうちに、揚げ方にもコツが要ることが分かってきたのです。


fish&chipsをメインに作り続けている厨房には、水槽のごときフライヤーがあって、
大きなタラの身であっても悠々と泳いでいるかのようです。


私の使っている鍋は小さく、魚の身と油の量が適切ではなかったのです。


要点は、衣を限りなく冷たくすることと、揚げ油の量を多くし、投入された魚の身が
素早く浮き上がってくるようにすることのようです。


衣は老舗とガストロパブの中間をとって、ビールと冷水を半々に入れました。

揚げ油をどうするかという問題は偶然に見つけることが出来ました。


小さめの切り身を2つ揚げた時、良い仕上がりになったのです。


ということは、厚みのある方をまず油に入れ、衣が凝固して浮き上がってきてから残りの身を投入することで、小さい身を2つ入れたという認識を油に与えることが出来ます。


こうしてまずまず満足のいくfish&chipsを作れるようになりました。



ただ揚げただけに見えたfish&chipsに、4年も費やしたわけですが

でもまだより良い方法はあるように思えます。



私にとって4年は長くても、そこに生涯をかけている人達がいるからです。


学ぶべきことは沢山あって、この冒険はまだまだ続くようです。
e0238254_09034403.jpg

BESPOQUE























[PR]
by bespoque | 2016-11-20 09:04 | brit foods | Comments(0)

Fish & Chipsのこと。(Chips編)

告白すると、ビスポークを始めるまでFish&Chipsを作ったことがありませんでした。


にも関わらず、2012年の8月のブログで私は「Fish&Chipsを店の看板料理にして、東京No.1」を目指すと書いています。


あの頃はヘストンのやり方を可能な限り真似ていました。

まずはチップスの作り方です。

ヘストンの代名詞でもあるトリプルクックを採用しました。


1 沸騰した湯で5分間茹で、冷蔵庫で冷ます。

2 150℃の油で4分間揚げ、再び冷ます。

3 注文を受けてから、190℃の油で浮き上がってくるまで揚げる。

という具合です。


この方法で、カリッとしてホクっとしたチップスはほぼ完成したと思っています。


そしてついに、今年の4月にヘストンのチップスを食べました。

そのチップスは透き通っていて、カリっとを越えてまるでスナック菓子のようでした。
e0238254_17453946.jpg
これを食べてみて思ったことは、3つ星だからおいしいとか、高級な食材に手間をかけているから良いのだというものではないということです。



これはブリックレーンの老舗、Poppiesのチップスです。
e0238254_05370670.jpg
街のFish&Chips屋さんが、ヘストンのようなやり方をしているはずはありません。

水にさらしたジャガイモを、乾かしておいて低温から揚げるというやり方です。


Poppiesのチップスは素朴でしっとりとしていて、私はこれが大好きです。


新聞紙にクルリと包まれているそれに塩とビネガーを思いっきりかけて

チップフォークでつつきながら食べては、また食べ過ぎてしまったな・・・

と後悔したりする。


これこそが愛すべきソウルフードそのもの。


毎年ロンドンへ行っては、話題の店で最新の味を試してみたりするけれど


実のところ、私が一番好きなイギリスの味はチップスなのかもしれません。

all the best,


BESPOQUE





















[PR]
by bespoque | 2016-11-11 19:45 | brit foods | Comments(0)


Gastro Pub in Tokyo Since 2012


by bespoque

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
LONDON
brit foods
comfort foods
sweets
小ネタ
BESPOQUE Quality
お知らせ
未分類

以前の記事

2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 03月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 05月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月

フォロー中のブログ

最新のコメント

Nice!!
by cherryberry at 01:07
今日も去年の料理通信を見..
by nao at 20:44
治療中とのこと、ご自愛く..
by かなざわ at 18:24
最近ずっとお休みでしたの..
by sayafig at 12:45
もちろん待っています。 ..
by bespoque at 04:36
レイさん、伊勢丹に本物の..
by Mayu at 03:37
You go!
by Ari at 11:48
ストーリー、カッコイイね..
by 馬場のスペインバル at 03:48
ありがとう。 やっとや..
by bespoque at 08:32
同感です。すごく良く分か..
by 馬場のスペインバル at 23:03

タグ

twitter

最新の記事

タビちゃんのこと。
at 2017-07-26 10:45
撮影終了
at 2017-06-30 12:26
お知らせ。
at 2017-06-14 15:52
自家製しよう!
at 2017-05-07 09:03
再開
at 2017-03-10 10:51

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧